不動産の売却をすると国民健康保険が高くなる可能性があることを知っていますか?
この記事ではどんな時に国民健康保険が高くなるのか、その仕組みと計算方法について解説いたします。
不動産売却時に国民健康保険料が高くなる可能性と特別控除の関係
自営業の方など国民健康保険に加入している方は、不動産を売却することで翌年の国民健康保険料が高くなる可能性があります。
なぜ、このようなことが起こるのでしょうか。
<国民健康保険が高くなる仕組み>
国民健康保険の計算は、不動産を売却した際の譲渡所得に基づきます。
譲渡所得は次のように求められます。
・売却価格-(取得費+譲渡費用)=譲渡所得
一見難しそうに見えますが、わかりやすくいうと購入したときの価格よりも高く不動産の売却ができた場合の利益のことを指します。
この譲渡所得にはさらに3,000万円の特別控除を適用することができます。
3,000万円の特別控除とは、簡単にいうと譲渡所得が発生した場合でも3,000万円までは利益が発生しなかったものとみなすことができる制度です。
国民健康保険料が上がるのは、譲渡所得が3,000万円を超える場合(特別控除を適用しても利益が発生した場合)のため、そうそう発生するものではありません。
そのため、ほとんどの方は国民健康保険料が上がる心配する必要はないといえるでしょう。
しかし、万が一何かしらの理由で3,000万円の特別控除を受けていない場合には適用前の譲渡所得に対して計算が行われるため、そうした事態にならないよう慎重に不動産売却を行う必要があります。
不動産仲介会社がいる場合には、3,000万円の特別控除について不動産売却における流れで自然と案内があると思いますので安心してください。
また、扶養に入っている方が不動産の売却をした場合、大きな収入とみなされ国民健康保険に加入しなければならない場合がある点にも留意が必要です。
3,000万円の特別控除適用前の譲渡所得が38万円以上の場合には、このパターンに該当します。
事前にしっかりと確認しておきましょう。
不動産売却後の国民健康保険料の計算方法
国民健康保険の保険料は、「医療分保険料」「後期高齢者支援分保険料」「介護分保険料」の3つの保険料の合計金額となっています。
それぞれを算出する過程で、所得割がかけられます。
所得割とは読んで字のごとく、所得に応じて割引が発生し個々の負担額が変動していきます。
この所得割に先述の不動産の譲渡所得も加味されることとなります。
そのため、特別控除後も譲渡所得が発生している場合には所得額が一時的に大きくなるため保険料の負担が増えるという計算方法になっているのです。
後期高齢者(75歳以上)の方が加入する後期高齢者医療制度においても、不動産を売却し利益が発生した場合保険料が値上がりする可能性があるという点にも留意が必要です。
まとめ
不動産の売却価格だけに囚われず、保険料や税制などにも着目して賢い不動産の売却を心がけましょう。
私たちみなと不動産株式会社では、不動産売却の査定も行っております。
不動産売却に関わるご質問などがありましたら、お気軽にお問い合わせください。